11/30

ガチョウ

進化だろうが
退化だろうが
羽根が短いだろうが
そんなこったぁ
かんけぇねぇ

常識や慣習の錆びた鎖に
グルグル巻きにされた
魂が勝手に
飛べねぇと
錯覚してるだけで
羽根があるんだから
飛べる
ただ
それだけのことよ

俺は飛んでみせる
走って走って
どたまぶつかっても
鼻血ブーでも
走って走って
何かをつかんでみせる

足があるんだから
目の前に道があるんだから
走んなきゃ損だ

せっかく
生まれてきたんだから
飛ばなきゃ大損だ

 

 

 

 

 

11/29

醜虫

いつまでも
こんな醜い毛虫のままで
いてたまるか

この身体が
二つに裂ける瞬間
この世に飛び出してくるのが
紋白か
揚羽か
それとも
毒をまき散らす
毒蛾かわからないが

そんなことは
どうだっていい
そん時きゃ
そん時考える

俺は一刻も早く
こんな所から
飛び出したい

カァカァカァ
天が笑っているのか
お前が飛び出すのは
まだまだ早いって
笑いたければ
笑えばいい

もう毛虫でいることに
心底やんなってるんだ
この殻を
己の刃で噛み切ってでも
腐りかけた
この魂を取り戻すんだ

俺は天に
自分の運を
任せたりはしない

俺は
自分の運命は
自分で
噛み切ってみせる

 

 

 

 

 

 

11/28

オペラ座のドブねずみ

俺はいつだって
客席の一番隅っこの椅子の下から
舞台の上でスポットライトを
身体いっぱい浴びてる人を
見上げてた

俺もいつか
あぁなるんだって

でも俺はまだ
舞台の上にも
上がってなかった

くそー
こんな薄暗れぇ所で
くたばってたまるか
でも人は
こんな薄暗れぇ所で
やけに目ん玉だけがギロギロして
やけに牙だけがギラギラしてる
おいらを気味悪がって
見向きもしてくんねぇ

うぉー
俺は必ず
あの舞台に上がってみせる
そんでもって
あの舞台のド真ん中の
一番スポットライトが浴びる位置に
立つんだ

みんなの拍手喝采を
いっぱいに
いっぱいに
身体いっぱいに浴びる位置に
立ってみせるんだ

 

 

 

 

 

11/27

ガラス細工のだんご虫

ちょっと
見た目には
想像しずらいものほど
中身とのギャップがあって

だんご虫の心は
とっても繊細で
それだから
すぐにコロコロ丸まっちゃう

丸まったからって
頭ごなしに
早く動け動けとせかせても
余計に丸まっちゃうだけで

冬の土のように
固くなってしまった
だんご虫の心は
その心の奥にある
だんご虫のこだわりの扉に
誰かが鍵はここにあるよって
教えてくれたなら

だんご虫の心は
つぼみが咲くように
ふぁっと
開くことでしょう

 

 

 

 

 

11/26

折れない雑草

都会の隅の裏路地の
アスフャルトとアスフャルトの間という
絶望と試練の狭間の中で
生まれついた俺でも
このまま
踏みつけられっぱなしでたまるか

強くなるために
踏みつけられて
強くなるために
こんな狭間に生まれたんだ

雑草で生まれてきているが
雑草のまま
くたばってたまるか

絶対に生き抜いて
生き抜いて
この狭間で
自分の花を
思いっきり咲かせるんだ

どんなに
踏みつけられても
踏みつけられても
誰にも
折ることのできない
たった一つの大切なものを
思いっきり咲かせるんだ

 

 

 

 

 

11/25

雑巾

例えこの身が
ボロボロの雑巾になったとしても
やんなきゃなんねぇ
仕事がある

拭きまくって
拭きまくって
きれいになるんだったら
それでいいじゃん

それを見た
誰かの心が
スッキリしてくれたら
それでいいじゃん

それだけで
雑巾として
生まれてきて
本望じゃん

 

 

 

 

 

11/24


でっかな海で
でっかくしてもらった
だが最後は
自分の生まれ故郷に
でっかな
でっかな
錦を飾るんだ

俺は故郷へ
故郷へと
上って行く

あの頃の
泣き虫でちぃちゃな
チビ助とは
比べもんになんないぐらい
俺は試されて
しょっぱい水をいっぱい飲んで
強くなった

最後のご奉公と
傷だらけになっても
血だらけになっても
俺は故郷の一滴になるんだ

逆流を一匹の本気となって
上って行ってみせる

後ろなんか振り返らず
本気になったら
こんなことまで出来るんだと
がむしゃらに
がむしゃらに
突き進んで行ってみせる

 

 

 

 

 

11/23

自分のフォーム

世間のスタートラインは
目には見えねぇし
見ないと思えば
そのままでも
生きてはいけるが

もうそろそろ
自分でスタートラインを
描く時期が
やって来たんじゃねぇか

海岸に棒切れっで
一直線に線を描くように
君の心の水平線に
でっけえスタートラインを
描こうじゃねぇか

生きてるうちは
いつからだって
遅いことなんかねぇ
思い立った日が吉日よ
スターターもいねぇし
給水所もねぇし
もしかしてゴールテープも
ねぇかもしんねぇけど

めちゃくちゃなフォームだって
いいじゃねぇか
悔いのねぇように
思いっきり走っておかねぇと
心もい心地が悪くて
ゆっくり成仏できやしねぇや

すっ転んでも
走ってる姿を笑われても
自分が今生きてるって感じたければ
走るなら今きゃねぇ

 

 

 

 

 

 

11/22

消せない白線

いま君は
一本の白線の延長線上を
がむしゃらに突っ走ってる

スコアボードには書かれない
実社会という延長戦で
がむしゃらに
がむしゃらに
突っ走ってる

あの夏の炎天下
歯を食いしばって
白球を追いかけてた誇りと
友との友情を胸に
がむしゃらに
がむしゃらに
突っ走ってる

今はもう
手を通してもらえない
押し入れの奧に
閉まってあるグローブ

それでもあの頃
高校野球のグランドに引かれた
一本の白線は
今も君の心のグランドで
真っ直ぐに
真っ白に伸びている

グランドに引かれた
白線はもうとっくに
消えてしまっているが
君の心の中に引かれている白線は
一生消えることはない

どこまでも
どこまでも
あの飛行機雲のように
どこまでも真っ直ぐに
天に向かって
伸びていく

 

 

 

 

 

11/21

真夜中の啓示

一車線しかなく
人っ子一人いない
真夜中の国道の
錆びかけた信号機の青信号が
進むなら今しかねぇと
灯っていた

チャンスはいくらでもあるなんて
みんなは言うが
この道のチャンスは以外と限られていて
行ける時に行っとかねぇと
すぐに止まれになっちまって
赤になっちまって
後から振り返って後悔しても
遅いんだと灯っていた

進むなら今しかねぇんだと
月の明かりも届かない
真っ暗な真夜中の道で
今まで誰もその声に
耳を傾けなかったんだというような
寂しそうな光で
灯っていた

進める幸せを
噛みしめてくれと
進める喜びを
全身で感じてくれと
わめき疲れたような
かすれた光で

錆びかけた信号機は
独りポツンと
灯っていた

 

 

 

 

 

11/20

人ワットの電球

走ることによって
全てを手に入れた少女は
また走っりまくって
走っりまくって
走っりまくって
自分の夢の最終ゴールへの
チケットをぐいっと握りしめた

生きてることが当然で
当たり前と思っている人間は
昼日なたっから
ノン気な愚痴もほざいていられるが
死んじまったら
そんな軽口もほざけなくなる

生きてるからこそ
生きてるからこそ
なんだって出来る

生きてるってことは
一瞬の輝きで
時間の問題じゃなく
どれだけ自分が輝き切ったか
どれだけその瞬間閃光しまくったか
電球が切れる最後の瞬間みたく
一瞬の光に
自分の持ってる全ての力を込めて
輝け

後にはカラカラ残った
燃えかすだけ残るように
輝け
輝け
生命よ輝け

 

 

 

 

 

 

11/19

人間雑巾

人間が生きてるってことは
みなそれぞれ意味があって
その意味を見つけるために
自分の雑巾を絞りきりたい

この先どんなものが
絞り出されるかわからないが
とにかく絞って絞って
精神の限り絞りまくって

もう出ないと思った瞬間に出た
潜在的なものが出てきてからが
本当の勝負で

自分の精神が勝つか
ブレて死するか
その場に立ってみたい

この先の
目も眩むような
遙か遠い
求道という名の道を
自分のぼろ雑巾で
勝負してみたい

 

 

 

 

 

 

11/18

ちっこい野心

極寒の雪の下の大地の中で
小さな種は
絶対にでっかくなるんだと
牙を磨くように誓い
その時が来る時を
じっと待っていた

春の風がぴゅーと吹き
やっとおいらの番がやって来たかと
勇気と野心で出来た葉っぱを
大空に向かって
これ見よがしに
思いっきり広げた

お天と様よ
見えるかい
俺は今生きてるんだぁ
生きてるんだぁ

今はまだまだ
ちっこいが
もっとでっかくでっかくなって
お天と様に近づいて行くんだ

だから
覚えててくれ
俺はでっかくなるんだ
俺はでっかくなるんだ

 

 

 

 

 

11/17

じゃがいも

真夜中のハイウェー
狭ちぃ箱に押し詰められて
ぐらぐらトラックに揺られて
都までやって来た

俺は
福神漬けがちょこっと
横ちょにくっついた
日本一おいしい
カレーになるんだと故郷を
捨ててきた

こんな所で諦めちまったら
なんのために
泥だらけになったんだ

こんな所で諦めちまったら
なんのために
でこぼこになったんだ

こんな所で諦めちまったら
なんのために
じっと土の中で
我慢してきたのか
わかんねぇじゃねぇかと
ヤワナてめぇに言い切った

俺は
どてっとおいしいルーがのっかった
日本一のカレーになるんだ

俺は
うめぇと言ってもらえる
日本一のカレーになるんだ

 

 

 

 

 

 

 

11/16

蒼蛙

ガリガリに痩せ細ってはいるが
目ん玉だけは
いっつもギラギラしてる
ちっこい蒼蛙がいた

いっつも
自分の前に
どてっと覆い被さってる
壁の前に突っ立って
自分には跳べねぇっと
首根っこが痛くなるほど
見上げてた

だがある日
これは跳べるかもしんねぇと
根拠のねぇ自信が
熱湯のやかんのように
ピィーと音を立てて沸き上がってきた

根拠のねぇ自信なんて
すげぇ気まぐれだから
あの北風みてぇに
すぐにどっかにすっ飛んでいっちまうから

跳ぶなら今しかねぇ
跳ぶなら今しかねぇ
自分の壁を
跳び越えるなら
今しかねぇ

後から
泣きたくなけりゃ
今しかねぇ

踏みつぶされたく
なけりゃ
今しかねぇ

 

 

 

 

 

 

11/15

漂流

どんなに
激しい海流にのまれても
やどかりよ
昔の貝には
もう戻るなよ

どんなに安らいでも
どんなにお前さんのことを
わかってくれたとしても
それじゃなんにも
なんねぇんだ

認められない時こそ
孤独な時こそ
自分がぐぅっんと
伸びるチャンスなんだ

だから
やどかりよ
もっと
大きな貝殻を見つけなよ
もっと
もっと
大きな貝殻を
見つけなよ

お前さんにピッタリの貝は
きっとどっかに
あるはずだ

この海はでっけんだ
きっとどっかに
あるはずだ

じゃなきゃ
この海の大きさが
もったいねぇんだ

 

 

 

 

 

11/1

曲がり角の夕日

速く走りすぎたり
忙しすぎたり
この方向に行っても
いいのかなぁと思った時に
誰にでも
もう一度
立ち止まって考えてみたい

心の曲がり角が
あるような気がします

もう一度
その曲がり角に立ち返って
長くなった影の反対側にある
沈んでゆく夕日を
ゆっくり眺めたりして
もう一度自分に戻ったりして

君が君になれる
心の曲がり角は
どこですか

あの駄菓子屋の角ですか
それともあのパン屋の角ですか
最近その曲がり角には立っていますか

たまには
ゆっくり夕日を浴びて
背伸びなんかしても
いいかもしれませんね

きっと夕日は
あの時の
輝きのままだと思います

変わったのは
君が生きてきた分だけ
ちょっぴり影が
伸びたことだけかもしれませんね