お月さん

生まれた時は
みんな
心の形が
まんまるお月さん

でも生きていれば
色々なことがあって
三日月になったり
新月になったりします

あなたの
お月さんは
今どんな形を
していますか

もしも今の自分は
三日月だと思っていても
そう思うことなんか
ありませんよ

だって
あなたは元々
ほわぁんと明るい
まんまる
お月さんなんですから

 

 

 

 

 
うなずきマン

どうせとか
不可能とかって
たかだか
百年も生きない自分が

人間が本来もっている
やったる力という
肯定的な力の方を信じず

自分のアリみたいな
ちっちゃな脳みそが
今までの乏しい経験や
世間一般の常識や慣例から
無意識にできないと判断して

自分のアホな精神も盲目的に
んんやっぱそうだねぇって
うなずいている
滑稽な姿でしかない

だから
僕はうなずきマンだ

だけど今度
うなずきマンにあったなら
そいつを
ぶっとばして
ビンタして

笑い飛ばして
やるつもりさ

 

 

 

 

 

 
七つの瞳

美術館に行くのなら
平日の閉館時間に架かる時間帯が
いいかもしれません
静寂を取り戻した部屋で
絵の声達に
独り耳を澄ませてみる
どんな声が聞こえてくるかな

上野の森に
聖徳太子さまの七歳の時の
木像が遊びに来てくれましたので
会いに行ってきました

閉館時間の少し前
薄暗い部屋で
太子さまと
二人っきりになって
太子さまの
まぁるいほっぺたや
やわらかい背中の線や
やさしそうな瞳を真っ直ぐに見て
じぃっと
太子さまの
心の声を聞いてみました

聞こえてくる
聞こえてくる
遙か遠い時空を越えた
祈りの声が
微かに
僕の心に届きました

その後の人生で
日本人の精神の根本を
作ってくれた
聖徳太子さま
七歳の時は
どんな夢を見ていたのかな

今は
永遠の眠りについた
太子さま

その七歳の瞳は
争いの絶えない
この世の中で
和になることを
今も祈っていそうな

そんな
優しくも
哀しい瞳をしていました

 

 

 

 

 
桜の樹の下で

小さな頃
あぶなっかしく
歩きまわる
僕の手を
つないでくれていた
お母さん

いつの日か
僕がお母さんの
手をとって
桜の花びらが
さらさらと散る
桜吹雪の中

互いに
何にも語らず
桜を眺めたい

ただ
黙って
桜が散りゆく姿に
母と子の
長き年月を
走馬燈のように
想い出しつつ

この身を
桜吹雪の
胎内へと
お返したい

 

 

 

 

 

 
人間の勲章

もしも
長く生きた人間が
自慢できることがあるとすれば
それは
失敗したことでは
ないでしょうか

傷だらけでも
泥だらけでも
失敗という名の
見えない勲章を
何個も
何個も
ぶらさげて

それでも
ひたむきに
生きている

その姿こそが
長く生きた
人間の
素晴らしき勲章では
ないでしょうか

 

 

 

 

 

 

 
101回目のオーディション

100回オーディションに落ちても
そのまま
諦めてしまったら
君の人生は
何も変わらないけれど

101回目のオーディションで
君の人生が
180°変わるかもしれない

オーディションに落ち続けたのは
夢の天使が
君を本物にするために作ってくれた
避けては通れない道

だから
落ち込むことなんかないんだよ
101回目には
受かるんだから

以前の君とは
見違えるほど
強くなった
君に生まれ変わるために

 

 

 

 

 

 
明るい君

一歩足を踏み出すのも
歩き出すのも
走り出すのも
両手を一生懸命に振って
ダッシュするのも
立ち止まるのも
しゃがみこむのも
寝っころがって雲を眺めるのも
君や大事なものを
もう一度取り戻すために
後戻りするのも
全ては君の選択だけど

神さまや
お父さんや
お母さんが
君のために
スタートラインを
用意してくれました

スタートラインが
用意された君は
それだけで
明るい人

なんのために歩くのか
わかんなくたって
今スタートラインに立ってる君は
それだけで
光り輝く明るい人

 

 

 

 

 
永遠の野球少年

少年は
物心付いた時から
布をぐるぐるまきにした簡素なボールと
一本の棒切れをぐっと握りしめ
しっかりと前を向いて構え
狭い空き地でストリートベースボールを始めた

空き地はけっしていい状態とは言えず
石ころがごろごろ転がっていたが
それがかえって
一塁への送球を正確なものにした

少年の育った厳しい環境が
少年の精神を鍛え抜き
少年の夢はいつの日か
みんなが憧れる野球選手になって
祖国のために戦うことだった

そして
少年はたくましい
青年となった

キューバの選手達の
死の組みには
何億円も取るメジャー選手をずらりそろえた
プエルトリコや
ベネズエラや
ドミニカ共和国らが
圧倒的な山となってそびえ立っていたが
それらの強豪をことごとく打ち破って
死の組みから運などに一切頼らず
自分達の力だけではい上がってきた
決勝の激戦でも
一つのミスを見逃さず
最後まで折れない強い精神を
全世界に示した

永遠の野球少年達の夢は
まだ続くが
彼らが戦っている後ろ姿を見て

今日も
キューバのどこかの空き地では
野球少年達が
夕日に向かって
ボロボロの球を
追いかけているだろう

夢という
布でできた
球を

 

 

 

 

 

 

 

 

拍手と喝采

以前この国には
大海を渡ってベースボールというスポーツがやって来た
しかしこの国はベースボールには染まらず
ずぅっとこの国独自の野球をしていたように思える
それは球道と言う
いつの頃からだろうか
その精神も世間からは敬遠されるようになり
隅の方に追いやられていた

そんな時
韓国野球を見ていて気持ちがよかった
バッティングはその時その時で波はあるが
例え打てなくても
プロとして確実にエラーだけはしない
そんなピーンと張り詰めた
緊張した空気がグランド中に充満していて
その空気がとても新鮮でもあり
気持ちよく見えた
事実韓国選手は一つのエラーもしていない
我々が面白いと思えたのは
野球ではなくその真剣勝負の魂だった

前の二試合は明らかに
歴史という渦から発生した
絶対に日本にだけには勝つんだという
韓国選手団の魂から放たれる執念が
大きな波となって日本選手団を飲み込んでいたが
最後の試合は日本がここで勝たなければという
執念が韓国よりも一枚勝っていた

そして何より以前の二試合と明らかに違っていた空気があった
それは本来韓国選手団が
モチベェーションの一番のよりどころとしなければいけない核の魂即ち
ハングリー精神や日本にだけは絶対に勝つんだという執念が
兵役免除というにんじんによって
緊張の糸が切れてしまったのか
牙を抜かれた狼のように闘争本能が全く感じられなくなっていた
韓国選手団は戦う前から
なぜ戦うのかという本来の意味を見失ってしまい
一本のホームランだけであんなにももろく総崩れになってしまった
前の二試合であれだけいい緊張感を出してくれていたのに
とても残念な思いである

しかし
我々日本人が忘れかけてしまっていたものを
思い出させてくれた韓国選手団には
心よりの
拍手と喝采を送りたいと思う

ありがとう
誇りあるナインよ

 

 

 

 

 

 

 

 

そこへとつづく階段

遺伝子配列の構造の形をした
らせん階段を登り
少しでもそこに
近づきたいと願い登り

疲れ果て
強烈な頭痛と友に倒れ込み
見上げれば
そこはまだ遙か遠く

階段は途中で切れ
その時は気力も体力も
最後の一滴まで使い果たし
気力が回復した後
また登り始めようと入り口に立った瞬間
記憶も同時になくなるが
完全には消去しきれず
微かだが記憶の残存がデェジャブゥとして残り

雲の間からは
光りの柱が
あたたかそうに
やさしく包み込むように
降りそそいでいるが
現実は厳しく残酷で

そこはただ
見下ろすだけで
選ぶのはお前自身だと
試すがごとき
完全に無口で

それでも
僕は
登りつづけたい

そこには
何かがあると信じて
はいつくばってでも
登りつづけたい

 

 

 

 

 

 

 

時は来る

つぼみよ
あせる気持ちは
よくわかる

だかなどんなに早く
花を咲かせたとしても
なぜ花が咲いたのかも
わからぬまま
自らを問いただす間もなく
一時の栄華に溺れ
枯れていってしまったなら
早く咲いたことが
災いではないか

つぼみよ
必ず時は来る

その時に
満開に咲けるよう
今は自分の根に
たんまりと
力を蓄えてあげる時ではないか

君はどんな花にも
似ることのない
この世に二つとない
君だけの花を
咲かせることができる
花ではないか

今は
その花を
咲かせるための
尊い時かもしれないな

 

 

 

 

 

 

人間の赤い血

私達人間は
ある時突然に
自動販売機の
缶ジュースのように
生まれてきたわけではない

御祖先様代々からの
気の遠くなるような
日々の地道な
営みの上に
生かせてもらっている

だから
目に見えないものこそ
大切にして
生きていきたい

この大地を
この両手で掘ってみると
我らが御先祖様の
血のにじむような努力と
汗と涙が
赤い血となって
流れているではないか

人間は
缶ジュースなんかではない

日々の気の遠くなるような
地道なことを
積み重ねていった人間こそが
最後には
微笑むのだろう

 

 

 

 

 

 

 

銀河の海

それでも
僕は
この銀河で
ひとりぼっちで旅をする
迷子の旅人なのだろうか

少しずつでも
目的地に
向かっているんだと
無理に自分を納得させて
歩いているつもりに
なっているけど

はたまた
それに
何の意味があるのか

見上げれば
銀河はいつも
真っ暗で

夜の海みたいに
すぅーと
引き込まれそうになって

ちっぽけな
僕が
銀河の海を
歩いている

静かの海を
ひとりぼっちで
さまよっている

 

 

 

 

 

 

ジグソーパズル

出会いのピースの
裏半分は
別れのピースで

そんなピースを
一個一個
つなぎ合わせていって
この世に二つとない
君だけの
絵ができるような
気がします

同じ形なんて
一個もない
ピースだけど

いつの日か
君だけの
素敵な絵が浮かび上がって
くるような
そんな気がします

 

 

 

 

 

 

 

夢賛歌

たとえ今は
どんなにちっぽけな
希望の欠片だとしても

たとえそれが
他人かは馬鹿にされて
自分にしか感じることのできない
希望の欠片だとしても

自分が生まれてきた意味や
自分が今生かせてもらっている
存在価値の全てを賭けるのに
値するのが
素晴らしき夢では
ないでしょうか

その夢に自分の全てを
捧げている
人の心の姿勢に
落雷が魂を直撃したかのように
電光石火のごとく共鳴して
自分の心をも打ちひしがれて
心の奥底の厚い氷に閉ざされていた

夢が生まれる所にある
細くて小さな
切っ掛けという名の
一本の糸の先端に
吹けば消えそうな
弱々しくて繊細な灯火が灯って

まだまだ弱々しい灯火を
この世を暖かく照らすような
壮大な大銀河の太陽に変えようと
心にまきや石炭を
ガンガンに与え続ける
それが
素晴らしき道の過程では
ないでしょうか

そうやって
くり返し
くり返される灯火は
絶対に消せない灯となって
いつまでも
永遠に
人々の心に受け継がれていく

それが
素晴らしき夢では
ないでしょうか

それこそが
人の夢では
ないでしょうか

 

 

 

 

 

 

白き心

確かにあの時
あの瞬間
私達はどんな場所にいようと
みんなあの会場の特等席に
座っているかのように
舞いと曲と
感動と友に
銀盤の氷の中に
すぅーと溶け込んでいった

その銀盤の上には
凛とした
トゥーランドット姫がいた

世界中が注目する中
たった一人
あらゆる緊張感からも
あらゆる重圧感からも
解き放された
美しき白鳥が

今までピィーンと張り詰めていた
自分の心を
自由な大空に
開放させてあげるような
優雅な舞いで
今にも
湖面を飛び上がろうとしていた

そして
その瞬間がやって来た
舞いが終盤に差し掛かり
曲が最高潮に達っし
白鳥が羽根を広げた
その瞬間

遙か遠い
日出ずる国の時も
その美しき白鳥の舞いを
観いるがごとき
時が止まった

確かに
止まった

その時
私達の心は
真っ白な一つの
心になった

一つの白き心が
この全世界をも
優しく包み込でくれることを
彼女は確かに
証明してくれた

 

 

 

 

 

 

無力な夜

小さな時
無邪気に
話していた

僕が
大きくなったら
一生懸命に働いて
お母さんを
いっぱい
いっぱい
楽させるんだ

それが
僕の
夢なんだ

だけど
だけど

僕は
何もかも
無力だった・・・・