先生の微笑み
世界中が
こんなにも
ダビンチ・コードで
もちきりになっているなんて
先生は
天国で
どう思っているのでしょう
地球上の監督で最も尊敬する
キューブリック先生は
以前インタビューで
モナリザの微笑みを
歯が痛いだけではないのですかと
答えていました
よく考えると
モナリザも
2001年宇宙の旅も
この一見なんの共通点もなさそうな
二作品は
とても似通った作品のような気がします
それは
どちらも
どのような解釈もできる
芸術作品ということです
微笑みにしろ
スターチャイルドにしろ
観た人が
どのように感じてもらってもよく
一切の言葉を排除した
絵画や映像の体験になっています
でもそれこそが
優れた芸術作品の本質と
いうことではないでしょうか
ダビンチ先生は晩年
水の素描を描きつづけ
キューブリック先生も晩年
全世界が水に没するという映画の構想を練りつづけ
ダビンチ先生が
ラファエロに絵画の技法を教えるがごとく
キューブリック先生もスピルバーグ監督に
その聖火を預けました
全世界がこんなにも
先生の置いていかれた
玉手箱にやっきになっているようすを
先生は
天国で
どのように眺めているのでしょう
きっと
微笑んで
いらっしゃるのでは
ないでしょうか
その先生の
微笑みすらも
どのようにでも
解釈できる
微笑みで・・・
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