魂が堕ちた瞬間

集音マイクは
「ヒジでもいいから目に入れろ。」という
世界チャンピオン・亀田興毅の声を
ハッキリと聴きとれる音で
拾っていた

自分の存在価値を
表現できたのもボクシングのお陰だし
栄光を掴んだのも
ボクシングのお陰だし
望みを叶えることができたのも
ボクシングのお陰だし
人生を好転させてくれたのも
ボクシングのお陰だし
世界を広げてくれたのも
ボクシングのお陰だし
小さい時から
自分の夢のモチベーションの全てを
ギリシャ時代から続く
ボクシングから授かっていたのに

彼は
そのボクシングを
卑怯な考えで裏切った・・・・・

おやじは世界の頂点とは無関係な
ただのおっさんだし
次男も世界を取ることは到底できない
口だけのハンパもんで
その負け犬たちが
どんなにわめこうが
どうでもいいが

世界の頂点を掴み取る
チャンスの場を与えらた
数少ない選ばれた人間で
実際に世界の頂点を掴み取った男が
反則をしてでも勝てという
卑怯な考えを持ったことが
情けない

それだけでも
誇り高きチャンピオンとしては
失格で恥なのに
負け試合で
おめおめと負け犬に支持したことに
より一層の
情けなさを感じた

あぁ
お前も
あの負け犬たちと
一緒だったのかと

そして
卑怯な手を使えと支持した瞬間
彼の魂は堕ちた

彼は記者会見で
反則を支持したことを認めて
その時は弟の世界戦で頭が真っ白になっていたという
訳のわからない
女々しい言い訳を言っていたが
そんな生やさしいもので
許されるものではない

自分は
チャンピオンの資格がない人間だと
チャンピンの資格を
返上すべきである

世間はなぁなぁで
忘れ去っていくだろうが
自分の存在価値を表現してくれた
ボクシングの神様だけは

静かに
じっと
魂を堕とした
男を見ているだろう・・・・・