|
勝てるのか この戦いに
近道なんか
なかった
手負いを負った
獣にとっては
あたたかく
優しい
ぬくもりほど
身を滅ぼす
罠に見えた
獣にとっては
誰かが引いた
お気楽なレールほど
大きな罠だと
疑ってよけた
最悪の状況に
陥ることは
この道の途中から覚悟し
肚を括った
このまま
突っ込んでいけば
自滅することも
わかっていた
だが
それでも
何がなんでも
どんなことをしてでも
やらなければ
ならないことがあった
しかし
勝てるのか
この戦いに・・・・
不安と
恐怖と
孤独と
絶望しかない
真っ暗闇の地平線から
希望という太陽は
昇ってくるのか
天は
何も
答えようと
しなかった
始めっから
勝ち目のない戦いに
勝とうとすること自体が
浅はかなのか
愚かなのか
身の程を知れなのか
強欲なのか
その強欲に
付け込まれて
足元をすくわれて
俺は虫ケラのように
惨めに自滅するのか
まぁ
それなら
それでいいだろう
失うものなど
始めっから何も無い
だが俺は
やることだけは
やってやる
それを
やるためだけに
生まれてきたんだ
ガキの頃に
想像していた
楽観的な将来とは違った
だが
それならそれで
このリアルという
泥沼の戦場で
最後の一戦まで
戦い抜いてみせる
泥だらけのリアルの中で
嫌というほど
泥水をすすってでも
栄養など何もない
樹の根っこをかじってでも
執念という魂だけで
生き抜いてみせる
死神が
魂を売れば
一時は
極楽にしてやろうと
せせら笑い
裏で舌を出しながら
へらへら近づいてきて
悪魔の契約書を
差し出してきても
ビリビリに破り捨ててやる
悪魔よ
俺は金などでは
魂は売らんぞ
この借り物の身体が
ぶっ壊れる
最期の瞬間まで
やり抜いてみせる
涙などとうに枯れ果てた
背中を押してくれている
今は亡き同志の
魂に誓い
その魂の
あの涙を
決して裏切らず
一滴も無駄にはせず
崇高なる
あの魂の分まで
二倍やり抜いてみせる
生き抜いてみせる
天よ
この命すら
使い捨てなのか
ならば
とっとと
くれてやる
だがなぁ
焦るな
この命を
使い切った後だ
虫ケラの
最終決戦の意地を
見せつけた後だ
義明
|